研究の概要

研究課題名 2型糖尿病左室拡張不全患者の左室拡張機能に及ぼすトホグリフロジンの効果の検討
研究代表医師 阪和記念病院 北風政史
研究の目的 2型糖尿病を合併した左室収縮性が保持された心不全患者において、トホグリフロジンによる左室拡張機能に対する改善効果を、SGLT2阻害薬以外の糖尿病薬群とのランダム化比較研究にて検証すること。
研究デザイン 多施設共同、無作為化、非盲検、標準治療対照、並行群間比較
対象患者 2型糖尿病を合併した左室収縮性が保持された心不全患者



選択基準
1)
同意取得時の年齢が20歳以上90歳以下の患者
2)
2型糖尿病と診断され、次のいずれかに該当する患者
1.
糖尿病治療薬の投与開始または変更が必要と判断された患者
2.
糖尿病治療薬の投与を受けているが、投薬内容の変更が可能な患者
3)
心不全と診断されている患者
同意取得前26週 以内に下記のいずれかを満たす患者を、心不全を呈する患者と定義する。
1.
NYHA心機能分類II 以上を呈する患者
2.
血中BNP値もしくは血中NT-proBNP 値が以下の患者(複数回データがある場合は、一度でも満たした場合とする)
洞調律の患者:血中BNP≧40pg/mL もしくは血中 NT-proBNP≧125pg/mL
心房細動の患者:血中BNP≧60pg/mL もしくは血中 NT-proBNP≧190pg/mL
3.
薬物治療を要する心不全既往を持つ患者
4)
同意取得前39週以内の心エコーによる左室駆出率が 50%以上の患者(ただし 、 同意取得までに複数回心エコー検査をしているときは最新の心エコー検査による左室駆出率が50%以上とする 。)
5)
本人から文書による同意の得られた患者
除外基準
1)
重度腎機能障害( eGFR 30mL/ 分 /1.73 m2未満)のある患者または透析中の末期腎不全患者
2)
同意取得時のHbA1cが12%以上の患者
3)
同意取得時の BMI が18.5kg/m2未満の患者
4)
トホグリフロジンの投与が禁忌の患者(過敏症、重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者等)
5)
SGLT2 阻害薬 (配合剤を含む)の投与歴がある患者
6)
同意取得前13週以内に脳卒中、一過性脳虚血発作の既往がある患者
7)
同意取得前26週以内に急性冠症候群、心筋炎、たこつぼ型心筋症の既往がある患者
8)
同意取得前26週以内に以下の治療を施行した患者もしくは予定されている患者
1.
冠動脈バイパス術または経皮的冠動脈形成術
2.
ペースメーカ植込み術
3.
心臓再同期療法
4.
心臓手術(経カテーテル治療を含む)
5.
心房細動 / 心房粗動 / 心房頻拍に対するアブレーション治療
9)
肥大型心筋症、拘束性心筋症、収縮性心膜炎などに伴って左室拡張機能障害が生じていると考えられる患者
10)
同意取得時にNYHA心機能分類IVを呈する患者
11)
同意取得時にASTもしくはALTが正常値上限の3倍を超える肝機能障害を有する患者(ただし、心疾患に起因する ASTもしくは ALTの上昇と判断される場合には、総ビリルビン値が 3.0mg/dl未満であれば本除外基準に該当しないこととする)
12)
同意取得時に妊婦あるいは授乳中、妊娠企図のある患者
13)
他の介入研究に既に参加もしくは本研究期間中に参加する予定がある患者
14)
その他の理由により、研究責任医師または 研究分担医師が本研究への参加を不適当と判断した患者
研究薬研究薬 トホグリフロジン:トホグリフロジン錠 20mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。
対照薬 SGLT2阻害薬 (配合剤を含む)以外の糖尿病治療薬
研究の実施手順の概要 2型糖尿病を合併した左室収縮性が保持された心不全患者を登録し、無作為化によりトホグリフロジン群(研究薬群)とSGLT2阻害薬以外の糖尿病治療薬群(対照群)に割り付けを行う。
52週間投与を行い、左室拡張機能改善効果を、心臓超音波組織ドプラ法による E/e' のベースライン時からの変化量より検討する。
研究薬の投与期間 52週間(1年間)
評価項目主要評価項目 僧帽弁血流速波形の拡張早期波高(E)を心臓超音波組織ドプラ法による拡張早期僧帽弁輪速度(e')によって除した値(E/e' )のベ ースライン 時 からの変化量(研究治療開始52週後)
副次評価項目 ≪有効性評価項目≫
※以下、変化量は全てベースライン時からの変化を表す
1)
血中BNP(NT-proBNP)の変化量および変化率(研究治療開始26週後、52週後)
2)
初回複合エンドポイント(心血管死または心血管疾患による入院)の発生率(研究治療開始52週後)
3)
初回複合エンドポイント(心血管死または心不全による入院)の発生率(研究治療開始52週後)
4)
心血管死の発生率(研究治療開始52週後)
5)
心血管疾患による入院の発生率(研究治療開始52週後)
6)
心不全による入院の発生率(研究治療開始52週後)
7)
あらゆる理由による死亡の発生率(研究治療開始52週後)
8)
あらゆる理由による入院の発生率(研究治療開始52週後)
9)
心不全悪化による心不全治療の追加・増量の発生率(研究治療開始52週後)
10)
NYHA心機能分類の変化量(研究治療開始26週後、52週後)
11)
心臓超音波検査による左室駆出率(LVEF)の変化量(研究治療開始52週後)
12)
心臓超音波検査による左室拡張末期径(LVDd)、左室収縮末期径(LVDs)、左房容積係数、左房径の変化量(研究治療開始52週後)
13)
心臓超音波検査における僧帽弁血流速波形の拡張早期波高(E)、心房収縮期波高(A)、E/AおよびE波減衰時間(DcT)の変化量(研究治療開始52週後)
14)
心臓超音波検査における下大静脈(IVC)径の変化量および呼吸性変動の推移(研究治療開始52週後)
15)
心臓超音波組織ドプラ法による拡張早期僧帽弁輪速度(e')の変化量(研究治療開始52週後)
16)
尿中アルブミン・クレアチニン比の変化量(研究治療開始52週後)
17)
eGFRの変化量(研究治療開始52週後)
18)
空腹時血糖、HbA1cの変化量(研究治療開始52週後)
19)
新規心房細動の発生率(研究治療開始52週後)
≪安全性 評価項目≫
1)
有害事象
2)
臨床検査値
予定登録症例数 90例( トホグリフロジン群:45例 対照薬群:45例)
予定実施期間 予定研究期間:jRCT公表日~2024年12月31日
症例登録期間:jRCT公表日~2022年12月31日
症例観察期間:jRCT公表日~2024年4月30日
研究事務局 阪和記念病院
住所:〒558-0041 大阪府大阪市住吉区南住吉三丁目5-8
TEL:06-6696-5591
FAX:06-6606-7761
e-mail:top-hfpef.manage@kinshukai.or.jp
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